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前途多難

佐渡のトキ保護センターで野生復帰訓練中だったトキ11羽がほぼ全滅に近い状態らしい(8羽死亡、2羽瀕死、残る1羽も軽傷)。

犯人はイタチなどの野生動物(後の調査でテンと判明)ではないかと言う話だったが、このニュースが発表されるや否や、「トキ保護なんか辞めちまえ」と短絡的に言う心無い人を大勢見かけた。

曰く
「野生動物に襲われる事は昔からあった筈で、それから身を守れないようなら、この先何度挑戦しても同じ轍を踏むだけ」
「時間とカネの無駄」
「元々種としての力が弱い生き物なのだろう。このまま絶滅させてやった方が親切なのではないか」


…この意見には正直な話全く賛同出来ない。 何故ならトキが減った要因は種の弱体化なんて理由じゃなく、明らかに人災だからだ。
明治時代に猟銃所持の規制が緩和され、トリガーハッピーになった一般人が食べもしないのに盲滅法撃ち殺したのが原因なのである。近年に至り、更に農薬による環境汚染が追い打ちをかけた。

序でに言うと、イタチやテンはトキであれ他の鳥であれ、野外で飛んでる鳥を皆殺しにはしない。
ただ、ケージに多数が囲われた鳥に対しては狩猟本能の抑制が効かなくなり、結果として皆殺しのスイッチが入る事はしばしばある。鶏小屋でニワトリがたった一匹のイタチに皆殺しにされる事があるのはその為である。

今回トキが全滅に近いところまで至ったのは決してトキが「弱い種」だからではなくて、悪条件が重なった末での不幸な事故だった、としか言いようが無い。


トキ保護活動がカネの無駄呼ばわりされ、あまつさえ「絶滅さしてしまえ」等と罵られるのは正直、腹立たしいし哀しい。
何て言ったって、お隣の中国ではもう野生復帰が成功してるんだから。


とか言ってたら、こんな意見も見た。
「中国のトキを日本に定着させるのって、外来生物法に引っ掛かるんじゃないの?」
「ニッポニア・ニッポンって絶滅しちゃったんでしょ?中国のトキは似たような別の種類なんでしょ?」




動物に詳しくない人の認識なんてこんなものなのかも知れないが、非常にモヤモヤする。
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続・とりとめの無いワニの話

以前、日本の食糧事情の悪化を懸念し、同時に外来生物の効率の良い処分方法として、日本でもワニの養殖が出来ないものか?と言う主旨の日記を書いた。

それから幾ヶ月も後の今日、なんとこのワニ養殖に果敢に挑んだ人物が実在する事を知った。
詳細は以下のサイトを閲覧ください。
http://www.koike-wani.com/

場所は静岡県西部、湖西市。
あの辺は割と温暖な地域なので、大掛かりな施設を作らずとも、外気から隔絶された温室程度の施設で十分ワニが飼える筈である。良い場所に目をつけたものだ。その慧眼には感服するしかない。

しかもワニは温度管理と安全さえ考慮すれば、飼育自体は割と容易なのである。
唯一の難点は、成長するのにかなり時間がかかる事位か。

餌は廃鶏を仕入れてミンチにして与えているそうだ。
この人物がワニ養殖を思い至った切欠のそもそもが、業者に高い料金を支払って廃鶏の処分をする農家を見て「勿体無い」と思ったからなのだとか。


まさか日本で、実際にワニ養殖を試みる人物が居たとは…世間は狭い。

現在、養殖はまだまだ試験段階らしいが、是非とも成功へと導いて欲しいモノである。
近い将来、日本のマーケットの肉売り場に、ワニの肉がパック詰めされて並ぶ日も来るかも知れない。

とりとめの無いワニの話

最近、動物画の資料の一環としてYouTubeの動物関連の動画を幾つか視聴しているのだが、その中で所謂「キワモノ」としてワニの捕食に関する動画が複数上がっているのを見かける。

ワニは御存知獰猛な肉食動物である。
肉であれば生き死にに拘りは無く、また種類を問わず何でも平らげる。
映像にはシマウマやガゼル等の大型植物食動物を捕食するモノから、ドブネズミや魚等の小形動物を食べる映像、変わったところではカメを食べる映像(あの堅牢な甲羅さえも煎餅の如くバリバリと平らげる!)や、ロードキル(交通事故で死んだ動物の死体)の処理にワニの食欲を利用しているモノまであった。

ワニは昔からその頑丈な皮革に利用価値が高く、海外では古くから養殖が盛んである。しかも肉は食用になる。
その上、人間が出すゴミの内動物性蛋白質系の生ゴミは殆どが餌として利用可能な為、東南アジアではワニ養殖場そのものが「生ゴミ処分場」としての側面も持っている。
ワニが生ゴミを食べても食中毒にならないのは、ワニの消化液が極めて強い事と、ワニの細胞に想像を絶する殺菌作用がある為である。何でもワニの細胞に含まれる殺菌成分は、抗生物質による消毒が効かなくなった毒性の強いサルモネラやビブリオは言うに及ばず、難病中の難病であるエイズの病原菌でさえ苦も無く分解してしまう程の強力さだとか。

この為、最近では皮革や肉だけではなく、エイズなど難病治療の研究にもワニが利用される可能性も示唆されている。


何でもビジネスになってしまう最近の日本の事だ。
近い将来、日本でも温暖な地域や温泉の豊富な地域でワニ養殖が事業として成立してしまうかも知れない(嘗ては日本各地にあるワニ園がその役割を果たしていたようだが、現在これらの施設は寧ろワニ保護活動へとシフトしつつある)。

若しそうなったら、日本には生ゴミの他にもワニの餌に使えそうな資源がある。 それは一部の外来生物だ。

ブラックバスやブルーギルなどの魚類。

カミツキガメやミドリガメ等のカメ類。

ミンクやヌートリア、アライグマなどの哺乳類。

ウシガエルやアメリカザリガニもこれらのリストに加えて良いだろう。

ミンクやヌートリアのような毛皮獣、アライグマやカミツキガメのようにペットとして持ち込まれた動物を除き、大半の外来生物は元々、食用として日本に持ち込まれたモノが多い。その一方で、これらの外来生物は原産国でワニの食卓における多彩なメニューの一角を為している。

ブラックバスやブルーギルについては、動物園で魚食性の鳥の餌として利用が試みられたが巧くいかなかったと言う経緯がある。特にブルーギルは骨が多く、鳥に与えても小骨を嫌がってあまり食べなかったらしい。
だがワニならば、強力な顎と強力な消化液の力で小骨程度なら苦もなく消化してしまう筈だ。

現在これらの外来生物は駆除として捕獲されても殆ど利用価値が無いまま殺処分されていたが、若しも日本でワニ養殖が本格化したら、外来生物の利用法として極めて有効な手段の一つとなるかも知れない。

メタボなカモ

最近、首都圏を中心に、公園に集まるカモに対する餌付けを禁止する風潮が生まれているそうだ。
何でも人間に過剰に餌を与えられたカモがメタボリック・シンドローム、即ち過剰肥満に陥って健康を害する、と言う意見があるのだと言う。

個人的な見解を述べさせて頂ければ、カモが餌付けされて皮下脂肪の蓄積が増えたからと言って、渡り鳥が飛翔能力や持久力を失う事は有り得ないと思う。
例えば、不忍池の何処でも良い。カモの居そうな場所で適当に数羽捕まえて標識をつけて、一日でも二日でも追跡調査してみれば、カモが一日の間に驚くほどの距離を飛び回っている事が判るだろう。
嘗て話題を浚った「矢ガモ」も、上野の不忍池から練馬の石神井池の間を、一日に幾度も往復していた事が判明している。

カモを始め鳥類は「飛ぶ」事が長距離を移動する唯一の手段だ。
そして鳥類が「飛ぶ」事は、人間の想像以上にスタミナを消費する。

御存知の通り、カモは北の国からやって来て日本で冬を越し、春になると帰る。
その折、頼みになるのは己の飛翔能力のみ。
だからカモは特に冬になると体に脂肪をうんと蓄え、北の国へ帰るときのエネルギーとする。

飲まず食わずでひたすら飛ぶのだから勢い皮下脂肪だけが頼みの綱だ。
若し皮下脂肪の蓄積が十分で無いと途中でエネルギーを使い果たして死んでしまう。
故に、この時期のカモが「太る」事は非常に大事な事であり、同時に至極当たり前の事、人間が「メタボリックだ」と騒ぐには値しない。
カモ達にしてみれば「余計なお世話」だろう。

因みに、渡りの季節にカモの食欲が増し、肥え太る性質を逆手に取ったのがフランスの伝統食材「フォアグラ」である事はあまねく知られている通りである。

尤も、だからと言って安易な餌付けまで肯定するつもりはない。 確かにマナーのなってない餌付けの例は多い。
当方は過去、カップ麺を細かく粉砕して袋詰めにし、カモの餌として売り捌いたホームレスが警察にしょっ引かれていったのを見た事がある。

「カモの健康云々」ではなく、ストレートに「人口の餌の影響で水が汚れる」とでもしておけばまだ良かったのかも。

吉祥の鳥

先月、北海道でタンチョウヅル(丹頂鶴)のつがいを台湾に贈呈しようと言う動きがある、とニュースで知った。


此処数年、根釧原野の鶴の個体密度が上がっているらしい。
個体数そのものが増えている訳ではなく、棲息に適した湿地の面積に限りがあるのがその理由。

鶴は越冬する時期以外はつがいごとに広大な縄張りを構え、侵入者を厳しく牽制し、時には殺し合いも辞さない。
故に縄張りを巡り、鶴同士の壮絶な争いが絶えず、地元では負傷した鶴が動物園や保護センターに多数持ち込まれ、施設のキャパシティを超過していると言う。

飼育下の鶴の処遇についてはこれまで多角的に議論されていたが、此度の台湾への贈呈は丁度良いタイミングでは無かろうか。
鶴に限らず、鳥や動物は一箇所で多数飼育すると突発的な流行病で全滅する危険が高く、飼育施設を分散させるのはそれを回避する為にも非常に重要である。

日本側の今後の対応と、この取り組みの行く末が気になる所処だ。
プロフィール

熊猫堂(ぱんだどう)

Author:熊猫堂(ぱんだどう)
獣絵描き。パンダとか恐竜とかをもそもそと描いています

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